大竹まこと ゴールデンラジオ! 12/17

大竹まこと ゴールデンラジオ!「THE MANZAI」 2012年12月17放送】

大竹も審査員を務めたTHE MANZAI翌日の放送。
この番組の金曜レギュラーで大竹の思い入れも強いハマカーンが優勝という結果を受けてのトーク。

大竹:たけしさんがね、ビビってたよ。若手があまり面白いんでね。これには俺達は、こんな凄いスピードのあれには、新聞に書いてあったけど、「俺達の時代じゃなくて良かった」みたいな。「ついて行けない」みたいな。とってもじゃないけどみたいな。

阿川:そんなに?

大竹:それほど、やっぱ昨日のTHE MANZAIはね、最初っからね、採点方法も前の企画のね、俺らこのTHE MANZAIはあれなんだけど…

阿川:THE MANZAIって2年目なんですよね?

大竹:2年目なの。その前は別の局で、他局でM-1っていうのやってたんだけどね。

阿川:M-1ていうのね。

大竹:そん時はね、採点方法が10組…9組か10組を点数でつけるんだよ。だから一番最初に点数つけると、どんなに面白くても85点から88点ぐらいしかつけられない。「それ以上面白い人が出てきたらどうしよう」と思うから、どんなに面白くてもその辺で絞るわけね。

阿川:あー、そうか。抑えておく。

大竹:そうしないと後で面白い人出てきた時困るから。で、出てこない時もあると。そうすると出てこないと、今度は88点つけたとするとそこからどんどん俺の中で点数が下がっていくっていう。

阿川:あぁー。

大竹:今回は4組出て、面白い人押せばいいのね。

阿川:ああ、なるほど。

大竹:だから、そのリラックスさが演者にも伝わってて、1番引いたから別に空くじじゃないって思うわけ。だから、みんな勢いがあるわけ。だから最初っから面白いんだよ。

阿川:はぁ〜。

大竹:最初の1組目から俺ら度肝抜かれてさ。

阿川:へぇ〜。

大竹:面白い、面白い、と来てハマカーンだったんだよ。

阿川:ほう。

大竹:ね。いやハマカーンに俺番組である時に「ほんと悪いけど、審査員だからクールに審査するよ」と。

阿川:だって身内みたいに見られると…

大竹:「情けは一切かけないからね」って。「それは肝に銘じとけよ」って言ったのね。

阿川:そしたら?

大竹:そしたらね、ハマカーンが一番面白かったの…(震え声で)。一番面白かった。

阿川:みんなが認める?

大竹:みんなが認める面白さだった。他の漫才たちも凄く面白いんだけど…

阿川:フフフフフ(笑)お父さん泣きそうになってますよ?お父さん(笑)

大竹:他もみんな面白いんだけど、ハマカーンの後の人たちも面白いんだけど、ハマカーンの凄さは…

阿川:何が凄かったんですか?

大竹:俺たちをどこに連れて行くかわからない凄さなの。

阿川:あー、見えない?

大竹:他の漫才は、あのケツが見えるのね。こうやって笑わせて、こうやって笑わせて、こうやって笑わせて平板でこうこうこうで全部笑わせて、それでピークを迎えて帰るっていうのはもう読める。ハマカーンは、浜谷が俺たちをどこにこいつ連れて行くんだ?って(笑)思いもよらぬ展開なのね。

阿川:そんな優秀な方だったの?

大竹:そうでもなかった…

大竹:いや、でもね、優勝したら神田が号泣してね。神田って奴がね…

阿川:うのちゃんの弟さんね。

大竹:そうそう。でね、「神田ダメだダメだ」ってこの番組でも言っててね、ほんっとにあいつ、頑張ったんだね。

阿川:苦しかったの?

大竹:あの、神田の、ま、ちょっとタイプもパターンも変えたんだけど、神田のフリがほんとに的確で、しかも神田のフリが自分のやってることと等身大だったんだよね。

阿川:無理がいってない?

大竹:無理がしない。無理しないフリを神田が見つけて、その神田の無理しない、なんか髪の毛のキューティクルとかお肌のことだとか、女っぽいような所たくさん神田持ってて、そのフリを浜谷がとんでもない方向に持っていくんだよねぇ。いや、だからね、神田もね、泣くのわかるよあれは(笑)今まで「お姉ちゃんいなくちゃ生きていけない」とか「お姉ちゃんから小遣いもらってんだろ」とかさ、みんなに言われて。

阿川:なまじかわいい顔してるからなんとなく「甘ったれて生きてきたんだろ」みたいに見られちゃって。

大竹:これでね、いやもう、ここで頑張んなくちゃ一生お姉ちゃんの幻影の中で生きていくしかないっていう。

阿川:う〜ん、ツラいだろうねぇ。

大竹:ツラいのを何年とやってきて。これじゃどっかでいけないと思ったんだろうね。で、まあ今度THE MANZAIで勝負だからと思って、たぶんよっぽど、よっぽどあれは鍛えたね。

阿川:今まではどうだったんですか?

大竹:今までは?ダッメな奴で。

大竹:普通に話を進行して、いいテンポで相手に渡せるってやっぱ大事なことなんだねぇ。ほんと浜谷の腰が折れないというかね。

阿川:やっぱり“間”みたいなものも違うんですか?

大竹:そうだね。なんかほんのちょっと…ま、俺たちより凄いんだよ?言っとくけど(笑)今批判してる俺たちなんかよりかあいつらのが凄いんだよ。まぁ、だけど審査員だからね、言うけども。なんかそういうのを獲得したんじゃないかなぁと思って。

M-1と比べて審査員もリラックスできて、それが演者の勢いにもつながっていると。
よく敗者がいないと評されるTHE MANZAIM-1よりぬるい!と言う人もいるので、その辺は好きずきでしょうが。
それにしても大竹さんから溢れるハマカーン愛が!
声だけだからわからないけど、本当に泣きそうになってたんじゃないかな?
神田さんの苦悩(本人がどう思ってたのかはわかりませんw)もよく理解してて。
大竹さんの愛はこの週の金曜、ハマカーン本人たちに直接届けられるわけで、話は続くのです…