笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ 「辞めたら終わり。辞めたらあかん」
【笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ ゲスト:河本準一 2012年12月23日放送】
◆30で辞めよう
この日のゲストは次長課長・河本準一。
大阪時代を経て27歳で東京進出。
『さんまのSUPERからくりTV』の前説の仕事でさんまと出会い、「あれよあれよといううちに」テレビに出るように。
河本:からくりTV史上初、前説からあそこの席に座れたんです。ゲスト席に。
鶴瓶:嬉しかったやろぉ?
河本:もう嬉しい。それが30やったんです、ちょうど。んで、さんまさんに相談してたんです。「30なったら僕辞めます」と。「テレビの仕事なかったらもう辞めます」言うたら、上手いこと30にちょうど入ったんすよ。それが最初です。ゴールデンのね、全国ネットの最初というか。
鶴瓶:どんどん出てきたやん?あのタンメンで。
河本:それもとんねるずさんの、貴明さんのおかげですけど。
『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』で石橋から無茶ぶりされて生まれたのが「おめぇに食わせるタンメンはねぇ!」
鶴瓶:お笑い(芸人)ってね、お笑いが好きやから、誰か助けてやろうとかなんたらというよりも、おもろいのが好きなんよ。ギリギリに。ほんっとにおもろいの。
河本:あの、追い詰められた時というか。ラストです。ほんまラストやったんです。
◆スギちゃん
鶴瓶:スギちゃんも『A-Studio』の前説やっとったんやで?あいつ。
河本:あっ、ほんまですか?『A-Studio』の?
鶴瓶:『A-Studio』の。
河本:じゃ、そんな前じゃないですね。
鶴瓶:そんなちゃうよ、3年ぐらい前や。んで、鳴かず飛ばずで18年。ほんで、うちの事務所辞めて、それであれや…
河本:サンミュージック。
鶴瓶:で、3ヶ月で売れたんや。
鶴瓶:こないだ『A-Studio』呼んだがな。『A-Studio』のフィーチャーされるやつに。
河本:前説からは初めてじゃないですか?
鶴瓶:初めてやねんそれが。泣いとったもん泣いとったもん。
スギちゃん、鶴瓶さんの個人事務所に所属してたこともあったんですよね。
◆何もかも辞めたらあかんねん
スギちゃんも芸人を続けていたから世に出ることが出来た。
鶴瓶:やっぱりだからね、辞めれないのよこの世界は。辞めたらあかんねんで、やっぱり。
河本:辞めたら全部終わりじゃないですか?師匠。
鶴瓶:そう、辞めたら終わりやねん。
河本:何もかも。
鶴瓶:何もかも辞めたらあかんねん。
◆売れてない芸人
河本の後輩。
河本:猫の威嚇のものまねしかでけへん奴がおるんですけど。16年やってるんですけど。猫の威嚇だけで来てるんです16年1本で。
鶴瓶:何が出るかわからへんでそれ?
河本:だから僕は言うんです。いつも飲んでる時とか飯食うてる時に「辞めたいです」って言うから「辞めたら終わりやで」って。「猫の威嚇、バイト先でやってもちっとも面白くないよ?」と。「これはずっとやれ」と。「辞めんことが後々…」っていうことを5年言うてたら終いに俺に腹立ってきて、「いつ売らしてくれんねん?」と(笑)
それがソラシドの水口。
鶴瓶は自分の弟子、笑福亭達瓶を例に挙げる。
鶴瓶:もうあれ20…30年近うやってるがな。
鶴瓶夫人が達瓶の独演会を観に行ったのだが、「途中で気分が悪くなって出ようと思ったら寝てしまった」と報告を受ける。
鶴瓶:気分悪なってもう出ようかな思ったらふぅっと寝てもうたと。お前完全に毒ガスやで(笑)でもそいつに言うたわ。「お前辞めたらあかんで」と。
河本:ですよね。それでもやっぱり。
鶴瓶:それがええ…うちの兄貴、「達瓶ちゃんおもろいなぁ」言うてんねん。だから、おもろいと思う人はどっかにおんねや。「達瓶ちゃんおもろいわぁ」言うてんねん。
河本:そりゃ全員面白くないって言う人いないと思うんですよ。お笑いの世界ってそれが難しいので。
鶴瓶:そやねん。
面白いと思ってくれる人、それは才能を認めてくれる人ということでもありますね。
◆尖ったナイフ
河本:売れてない後輩の人っていうのは、なんて言うんですかね?よくナイフとかそういうふうに例えたりするんですけど「尖ったナイフを持ってたらあかん」と、いつまでも。そういうプライドは捨てて、みんなに愛されてニコニコして、人の、グラビアアイドルのオチのない話でもキャッキャ言うて笑わなあかん時もあるんですよ、ほんまに。「もうそこで終わっとったんかい話!」ていうのでも慌てて笑う時もあるわけですよ。でもそういう奴っていうのは笑えないんすよ。自分のプライドあって「何もおもろないやんけ!」とかって言うてまうんですよ。
鶴瓶:うん。
河本:ずっと思てるんですよ、自分が一番面白いと。早く捨てなあかんのです。
鶴瓶:うふふ(笑)そうやな。お前、でも全部に対応出来だしたやんか?とんねるずにしてもそうやし、さんまもそうやし。
河本:でもそら大阪行く時はそら尖ったナイフ持って行きました2人で。
鶴瓶:お前、尖ったナイフ持ってたん?
河本:一応尖ってましたわ(笑)「やったらぁ!」みたいな。そら大阪から行くあれですから絶対ね。
尖ったナイフは大阪から東京へ行く途中、岐阜羽島で丸めたとのことw
◆辞めないことの意味
鶴瓶:いや、だから不思議やな芸人て。
河本:そうっすねえ。
鶴瓶:色々おるやろ?まだぎょうさんおるんや。全員が売れるわけないねんで?ほんまは。でも何かのきっかけでそうなることが凄い大事やんか。
パンクブーブーも長らく鳴かず飛ばずで毎日のように「辞めたい」と言っていた。
河本:「漫才面白いやん。チャンスがあるで」っつって、辞めずに辞めずにやったらM-1優勝、THE MANZAI優勝ですから。何が起きるかわからんわけじゃないですか。
鶴瓶:あの時にちょうど、だから色んな意味で「あ、長いことやっててもいいで」っていう、そういうなんが出来だしたよね、うーん。
河本:ハマカーンも優勝してるし。
河本:35ですから、年齢。やっとですよ。10年以上やってるんですから、そらもうみんな。
鶴瓶:でもね、結果的に「辞めたらあかんで」って、俺なんで達瓶に言うたかいうたら、自分の好きなことを見つけたわけでしょ?それは人の人生じゃなく自分の人生やし、俺とたまたま縁があって俺の弟子…全部が弟子とるわけでもなく、そりゃクビにする奴もおる。ただ、しないでそこにおるということで何か意味があって。やっぱりそれをずーっとやってることによって自分が何か固まっていくんじゃないかというね。ま、落語家なんか特にそうやけど。うん。だからとにかく「やれ」ということは言うたんやけど。
鶴瓶さん、いい師匠だなあ。こういうの聞くと師弟関係っていいなって思いますね。
THE MANZAIにおけるオール巨人師匠の「磁石くん、辞めたらあかん」の記憶も新しいところでこういう話をしていたので、思わずブログに書き起こしてしまいました。雑に。
辞める辞めないの問題はそれぞれの事情もあるし、単純にどうこうという話でもないので無責任なことは言えません。
ファンの立場で言えば「辞めたらあかん」ではなく「辞めないでほしい」ですね。
才能を認めてくれる人がいる限り。
ブスは待つ!(売れるまで)
※ファンの人がブスってことじゃないです!あくまでネタにかぶせただけなんで…平にご容赦を……
説明しちゃったよ!