どきどきキャンプの突破口を開いてきたのは岸学

佐藤満春in休憩室 2013年2月16日放送】

出演

もともとこの番組はフリートークで興味深い話が聴けるんですが、今回は相方・岸さんのR-1ぐらんぷり決勝とコンビの不思議な関係、そして個別の活動が目立つために何かと言われがちなコンビのスタンス、相方についてサトミツさんが語っていたので書き起こし。

佐藤:岸がR-1で何か決勝に行く時って、全部うちらのコンビのすごい分岐点というか、岐路に立ってる時なんですよ。2006の時も事務所に入る入らないで結構話し合って、こんなゴチャゴチャするならやめちゃおうかっていう感じも実はあって。コントをただただ俺らは楽しくやりたいのに、なんか事務所に入るだ入んないだとかでまぁ色々あったから、「なんでコントを楽しくやりたい…表現を舞台でただやりたいだけなのにこんななっちゃうんだ」ってのもあって。で、うまく事務所に入れて、もちろん事務所の扱いなんかも、もちろん最初はすごい良くなかったし、俺なんか5コ下ぐらいの後輩に「おい佐藤!佐藤!おい、俺が今スベったんだからお前何か面白いことやれよ」みたいなこととかをガンガン言われてさ(笑)でも岸がR-1決勝に行ったっていうところで何て言うの?事務所内評価みたいなのがガンと上がったから。俺はこういう性格だし暗いしジメジメしてるから今でも今の後輩に対して敬語だったりするけど。岸がその当時、2006年事務所に入って俺は後輩にめちゃくちゃナメられまくってたけど、岸がそういったことでなんか色んな後輩も僕のことを認めてくれるようになったってのもあり。


2009年の時も実は、もう辞めようっていう話になってたんですよね、どきどきキャンプを。それはまぁあの結構エンタの神様、レッドカーペットとか色んな番組が始まり、オンエアバトルもずーっと落ち続けて。で、岸がかねてからずっと言ってたのは、コントをね、こういうふうに今僕らがやってて、「こういうことを40過ぎぐらいで舞台でやってたらすごい面白いよな」みたいな話を結構してたのよ、コンビ組みたての時に。うん。で、俺それはすごいいいことだなっていうか、ほんとにコントというものに愛を感じたし、こういうこと言うと相方嫌がるかもしれないけど。俺はすごい嬉しかったんですよね、それがね。やっぱコントをやるっていうことに対しての愛じゃないですか。そういう若い時からおじさんになってもやりたいなっていう。で、俺なんかはもう心がさ、うっすーい1枚のガラスだからさ、バリッバリにもう折れまくってるからさ、すぐどっか行っちゃいたくなるんだけど(笑)その度に岸がちゃんと止めてくれてっていう歴史がやっぱあって。うん。2009年の時はでもそれが違って、2人共の認識で辞めようって話だったんだよね、うん。で、止めたのが事務所だったんですよ、そん時は。でも俺は辞める気満々だったし、岸ももう辞めようってことだったし。


で、どきどきキャンプってすごいドライな関係なんですね、元々。同級生でもなんでもないし、ただただ知り合いの紹介で組んだコンビだから、なんもないんですよ。ただただお笑いをやる仲間というか、相手として相方として出会って相方として12年ちょい?一緒にいる。で、そもそも、だから岸がコントに対してそいうことを考えていることに僕も共感して。で、楽しいから楽しいコントを一緒に作れればっていう思いでやってるし、やってたけど、そんな中、それぞれが売れないと全然意味ないから、どっちかが売れるならそれでもいいと。どっちか単体で活躍できるようなコンビになんないとダメだなって話をずーっとしてたんです、僕らって。で、そのスタンスって結構珍しくて、仲が悪いみたいなふうにも見られたわけよ、要は。それぞれでなんかそんなにやっちゃうの?みたいなことって。でも僕は僕でそういうふうに思ってるし、それが別になんつーのかな?コンビっていう枠から外れたからどうとかじゃなくて、岸がいて佐藤がいてコント作るっていうふうにね、1個の表現としてそれがなればいいと思ってたから。


ただ2009年というものに両方それが崩れた瞬間が1回あったんですよね。なんかうまくいかないし、飯も食えないし、30手前だったし2人共。俺はもうほんと辞めちゃおうと思ってたし、岸がその後どうしようとしてたか俺は知らないけど。で、まぁ事務所に止められて、4日ぐらいかなぁ?なんか保留期間みたいなの作らされて。なんか知んねーけど(笑)でもさ、別にそんな状態だから今さら2人で「じゃあもう1回やる?」みたいな話にもなんなかったんだけど、たまたま1個オーディションに行かされて。その保留期間によ?知らねーよ!と思いながらさ、オーディション行ってさ(笑)で、その夜ライブがあるっつってさ、2人で原付でお台場からシアターD行って500円ずつもらってさ。力の抜いたコントやって家に帰ってさ、風呂無しの。そいで2日後に「オーディション受かりました」っつってレッドカーペット出て…それはレッドカーペットだったのよ、そう。そのオーディションでやったのが適当にやった『24』のネタだったわけ(笑)で、そっから飯食えるようになっちゃったから、またコントやるようになったわけよ。で、岸がR-1の決勝行ってるの、その年に。で、またいろんな仕事が来るようになって、っていうリズムね。


で、今さ、また特にちょっと変な話だけど、去年今年ぐらいに関して言うと、俺がたまたまトイレ好きだったっていうのがあって、そういう所を面白がってくれる大人の人がいて。なんかレッドカーペットなりエンタの神様なりネタをやる機会が減ったじゃないですか、コンビとしても。僕は僕としてトイレの仕事がたまたま軌道に乗りだした年だったから。で、またね、僕は裏方の仕事とかも好きでやってるから。そんなんもあって、もちろんコントしながらだけどそういう状況があって、結構テレビでネタをやる機会も減っちゃったから、周りの人からね、「大丈夫?」なんて声もいろいろ聞きましたけど。でも僕らとしては別にそれがどうってこともなくて。時代がそういうことだからしょうがないなっていうことで。別にでもそれでコンビ的に状況がすごく芳しいかというとそんなことももちろんなく。仕事もないし、やっぱりロケもしてないしテレビも出てないから。


ていう状況で今年また行ったんですよね、岸学という男がR-1ぐらんぷりに。なんかこういう時に、なんかその突破口を開くっていうのが、これは気持ち悪い言い方になるけどかっこいいと俺は思ったんだよね(笑)相方がこんなこと言うのたぶん気持ち悪いと思うけど、なんかやってくれるんだよなと思って。でね、俺ね、思ったの。あの男、ほんとはめちゃくちゃイケメンなんだけど、魔法でブサイクにさせられてんじゃねーかな?と思うんだよね(笑)ブタみてえな顔してんじゃん?あれは嘘で、魔法をかけられてんの。どっか悪い奴に。ほんとはキムタクみたいな顔してんだよ、ほんとは。誰か早く魔法を解いてあげてください(笑)


コンビをドライな関係であると前置きした上で、志を同じくしていて楽しく面白いものが作れればいいじゃないかと。
それでいてコンビ愛・相方愛がないわけでもない。
重要な局面で突破口を開く、何かやってくれるかっこいい男だと(魔法でブサイクにされているけどw)。
それで充分じゃないですか。
コンビについても個別の活動についても外野がごちゃごちゃ言う余地なんてありません。
以前この番組で、その人が思う型にはめようと意見してくる人、そういう人の誤った距離感の話をしていたので余計にそう思いますね。

とにかく、これからもどんどん面白いものを世に送り出してください。
それだけ!