30から40へ 若手芸人高年齢化

2012年6月18日放送「DigTag カンニング竹山の黒ぶちメガネ」

竹山は今年41歳、芸歴は22年。
20歳でカンニングを結成。
芸人を辞めることも考えていた8年目9年目で注目され始める。

竹山:丁度30歳、31歳ぐらいの時に結構テレビで使われだして。で、皆さんに『カンニング』って覚えてもらうっていう時期が来たんですけど。それがだいたいざっと計算してカンニング結成から10年なんです。当時、今41ですから今からだから11、2年前になりますけど、当時僕らが何て言われたかというと「遅いね〜」って言われてたんですよ。出てくるのが。「苦節10年」とか。「遅いね〜」「下積んでたね〜」それを逆に僕らネタにしてたわけですよ。
で、来てたんですけどあれから早10年11年経った今、現状はちょっと変わってまして。10年やったぐらいでは遅くないんですよ。そんな芸人いっぱいいるんですよ。それでまだ、こういう言葉使うの嫌ですけど売れてないっていう。

売れない若手芸人の現状。
芸歴10年以上の芸人が多くいるのでライブハウス等では芸歴9年の芸人でも楽屋で着替えられないという。

竹山:僕らの時は芸歴10年ぐらいだったら楽屋で威張ってる組ですよね。でも今は芸歴10年以下はちょっともうほんとに楽屋にも入れなくて非常階段で着替えてますみたいな。なぜなら芸歴10何年のベテランたちが、でもテレビには出てない売れてないベテランたちが辞めずにみんないると。その裾野が物凄い広がってるらしいです。

竹山:昔は30だったけど、辞めなきゃいけない、夢見ていい時期は30だったけど、今「夢諦めろよ」ってなる歳が40歳になってんじゃねえか?っていう。思ったんすよね。実際うちのスギとか、ワイルドスギとかそうですけど38ぐらいで売れたりしたし、Hi-Hiとかも36とか7じゃなかったですか?(※スギちゃん、Hi-Hiは1973年生まれ)だからそれが変わってきてんのかな?と、ちょっと思ったんですけど果たしてそれが良いことか悪いことか。


竹山が自らの経験を基に語る芸人の年齢と転機(辞める時期)の話。
(※抜粋してあるのと自分なりに解釈して文章を構築している部分もあるのでご了承を)

20歳で芸人を始めたと仮定

  • 20〜23歳
    • 見た目のかわいさ・フレッシュさ、ネタのフレッシュさがありノリ・勢いで押せる。
    • 20、21歳ぐらいの芸人を一番身近に感じてくれる女子高生のファンが付く。
  • 23歳
    • 女子高生のファンが高校を卒業。ライブの客が新たな女子高生と入れ替わる。
    • 入れ替わった女子高生ファンには23歳は年齢が上。また新たに20歳ぐらいの芸人が入ってくるのでライブでの人気が低下する。
    • コンビの解散、芸人の引退が増える。
  • 26、27歳
    • 昔ほどの人気もなくそのまま続けていると、30歳の壁が見えてくる。
    • 自分に彼女が出来たり、親からは「いつまでそんな事をやっているのか」と問われ、身の振り方を考えだす。
    • 「今辞めて働けば30歳までにはまともな生活に戻れるかもしれない」と考えた芸人がごっそり辞めていく。
  • 30歳
    • 売れないまま30歳という区切りの年齢になり、親にも言われ、自ら見切りを付けた芸人が夢破れて辞めていく。

竹山:30になっても売れないまま続けてるってあんまりいなかったんですよね。それが今、30からでもゴロゴロいるから。だからその無理だとも言えないし、実際売れた奴もいるしっていう。そこが変わってきたのかなという。じゃあ実際みんな40になった時に辞めるんだろうか?と考えた時に、たぶん辞めないと思うんだよね。きっと。

これからは40歳の若手芸人どころか50歳の若手芸人もいっぱい出てくると思うと言う竹山。

テレビでよく言われる「上がいるから、辞めないから若手が上がっていけない」という芸人ピラミッドの構図が、今は下の方、ライブシーンにまでギュウギュウに詰まっている。
30歳が区切りだった時代から“たかだか10年”でそれが40歳まで上がってきているのではないか?

竹山:俺がしゃべった後輩に言われたのは、そいつら16年やってる奴だったんですよね。「16年やってんのよ?大丈夫?」みたいなトークした時、「いやいや待ってください。僕らはカンニングさんの話を聞いてるし、昔カンニングさんを見た」と。「カンニングさんは苦節…ずーっと売れなくて苦節でやっとおじさんになって売れたんじゃないですか」と。「だから『ああいうパターンもあるからやろう』つってやってんです」って言うんだけど、「いやちょっと待って」と。「あの時、俺29だよ」って言ったらみんな顔青ざめるのよ。「あん時俺9年目ぐらいよ」って言ったら「えーっ…ヤバい!もう16年やってる」みたいな。

竹山がテレビに出だした頃から老けていて、相当苦労したおじさんのようなルックスだった事もこういう間違いの原因だとも。
笑えるような笑えない話。

40、50になってようやく売れる役者はこれまで多くいたが、芸人もそうなってきている。下手したらバンドマンもそうなっていくのでは?と竹山。

竹山:夢見る人たちの高年齢化…が進んでるんじゃないかな?と僕は何となく思ったりしてました。


こういった現象は間違いなくあることだし、これから劇的に(特に良い方向に)変化することもないでしょう。
芸人さん、そして応援している人たちにも苦しい時間が長く続く可能性が高い時代になりました。
シャンおじ ゲスト:カンニング竹山 - SELECTボタンとRUNボタン同時押し!
この時に話をしていたカンニング、オードリーも世に出るチャンスを10年ぐらいで掴んでいるわけです。今の若手芸人はそれをはるかに超える芸歴の人たちが山ほどいるという現実。
売れてなくても好きな芸人さんには辞めてほしくないし、ファンの人たちが先に諦めるようなこともしてほしくない。
とはいえどれが正解で、どれが本当に幸せなのかは誰にも分からず…
ひとつ言えるのは、みんな売れろ!ってことです。