夢を諦める才能のない男達のファインプレー

小説、そして舞台化された『芸人交換日記』

夢を諦めるのも才能だ。

キャリア10年超えのお笑い芸人、それも売れないお笑い芸人には特に胸をえぐられる内容、という事はよく言われているし、知られている。


◆夢を諦める才能のないやつら

8/13のオードリーANN
若林が出演する芸人交換日記の舞台についての話題。
本番の前の日のゲネプロを観た後、若林の楽屋を訪ねたハマカーン浜谷、Hi-Hi岩崎、ビックスモールン

若林:「夢を諦める才能のないやつらが挨拶に来たぞー!」っつって、入ってきて。それ聞いて泣きそうになっちゃった、俺も。目ぇ赤く腫らしてさ、「夢を諦める才能がないやつが挨拶にきたぞー!」って入ってきたら、なんか…(笑)
春日:まぁちょっとねぇ、返せないよね。
若林:返せないよ。

更に、いいもの観せてもらったからゲネプロだけどお金を払うと言ったHi-Hi岩崎。
しかしチケット代6000円のところ財布には4000円しか入っていなかった…

“売れない芸人”というのが過去じゃなくて、まさに今現在という人達の存在。
この件について春日が笑いながら語った「せつないな〜」というコメントが全てのような気がする。


そんなエピソードを話していた若林も実は“夢を諦める才能のないやつ”だった


◆俺達のファインプレー

〈オードリーのシャンプーおじさん2010年12月22日〉ゲストはマシンガンズ
お互い売れない頃に一緒になることが多く、その頃のことをよく知っている2組。
オードリー・マシンガンズに加えてナイツの3組の当時を“スベりまくって泥を食っていた”と表現。

若林:でもあんまり「そうでもないでしょ?」みたいに見られんだよね。俺らの泥ハンパない純度100%の泥ですよね!誰も味方いないんだもんね!
西堀:スタートいい人もいるじゃない。
若林:いや、スタートいいのよ。残る人って。10年ぐらい。
西堀:だから俺達のファインプレーは辞めなかったことだよ。
春日:まぁ、そこですわな。

オードリーをナイスミドル時代から見てきたマシンガンズ
オードリーは常に実験をしていた、仕掛けていた、と語る。
そのマシンガンズから見てもオードリーが「訳のわからない事」をしている時期があった。

若林:それはね、クビになろうとしてたのよ。だから、要するに自分達から辞めるって言うと、自分で辞めたって言うと後悔しちゃうと思ったからぁ。「お前らクビだ!」っつって。
西堀:宣告してほしいと。
若林:そう。そしたら俺らはクビになったんだと思って別の職業できると思ってたからぁ。例えば40歳とかなって、なんか…ねっ、グダグダ「なんで辞めちゃったんだろう」と思うと思ったの。
西堀:未練を残したくない、とな。
若林:だから「クビだっ!」って言われたら、クビんなっちゃった、自分の力じゃないから。しょうがねーなって思うと思った、っていうとこの3ヶ月位の時を見てますよ西堀さんね(笑)

自ら“夢を諦める才能”はなかった若林。
クビになれなかった若林。
それが結果として今につながっているのだから運命とは不思議なもの。

そして改めて響くあの言葉

“俺達のファインプレーは辞めなかったことだよ”